リチウムイオン電池の豆知識

リチウムイオン電池に関する情報をやさしくご紹介。

バッテリートラブル

 

相次ぐiPhone8 Plusのバッテリー膨張、Appleが調査を開始 (2017.10.2)

 

 販売開始されたばかりのiPhone8ですが、バッテリートラブルが発生しているようです。

iphone-mania.jp

iPhone8 Plusのバッテリーが膨張したという報告が複数ユーザーから寄せられたことを受け、Appleが本格的に調査を始めたことが分かりました。

 

 

 

 もともとiPhoneはバッテリートラブルは時々報告されていて、本体が膨らんだという話はありますが、このユーザーの画像を見ると新品で購入したとき既に、箱を開封したら変形していたという状況のようです。ニューiPhoneが届いてワクワクして箱を開けたらこんな状態ではちょっとびっくりしますね。

 最近リチウムポリマー電池関連のトラブルが続いています。先日はリュックサックに入れていたモバイルバッテリーが電車の中で発火したというニュースもありました。リチウムポリマー電池が広く普及し多くの電気製品に内蔵されていますが、流通量が増える分トラブルも増えています。

 

 

ユピテルのドライブレコーダー搭載のリチウムイオンバッテリーが発火 (2017.9.12)

 

 ユピテル社が販売するドライブレコーダーDRY-FH200が発火し、大阪府・神奈川県・兵庫県で同様の火災事故が発生した可能性があり、製品を回収・交換するとのことです。

ドライブレコーダー「DRY-FH200」回収と製品交換について|重要なお知らせ|Yupiteru(ユピテル)

2012年10月~2013年8月に販売された当社製ドライブレコーダー「DRY-FH200」に搭載のリチウム充電池に起因した発煙・発火に至る可能性がある安全上の問題が判明しました。原因は鋭意調査中ではございますが、事故防止に万全を期すため、当該製品の回収並びに代替品への交換を実施します。

 

 対象は85,000台全台数です。申し込みのの際にシリアルNo.が必要となります。

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 経済産業省のサイトでもリコール情報が掲載されており、これによると問題のバッテリーはリチウムポリマー型とのことです。

www.meti.go.jp

株式会社ユピテル(法人番号:1010401030478)が輸入した映像記録装置(ドライブレコーダー)について、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生しました。
当該事故情報は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき、重大製品事故の報告を受け、消費者庁より平成29年6月13日に製品起因が疑われる事故として公表しています。
株式会社ユピテルでは、事故の再発防止を図るため、本日、同社ホームページにおいて、対象製品を無償で交換することを公表しました。 対象製品をお持ちの方は、直ちに使用を中止し、お買い上げの販売店または同社問い合わせ先にご連絡下さい。

 

 こちらの記事では、このドライブレコーダーが台湾製であると報じられています。

www.hazardlab.jp

 無線通信機器メーカー「ユピテル」は4日、台湾から輸入販売したドライブレコーダーから出火し、車内が延焼する火事が相次いで4件発生したとして、8万5000台をリコール(無償交換)すると発表した。

 

 真夏の車内は想像以上の高温になります。リチウムイオン電池は動作温度範囲が広く、他の電池に比べ高温や低温でも性能を発揮するのが一つの強みですが、品質管理に問題があったりバッテリーの充電制御に問題があるとエネルギー密度の高さから発火する危険性も増大します。

 残念ながら、現代の技術ではリチウムイオン電池の事故を完全に防止することは不可能です。メーカーや関係省庁が事故発生後に早急に周知・回収すること、また消費者がこうした情報に注意して使用することが必要です。



UPQのスマホバッテリーのリコール (2017.7.26)

 

 すっかり有名になった株式会社UPQのスマホバッテリーのリコールに関する記事です。

www.itmedia.co.jp

 バッテリーの発火事故が起きたスマホについて、これまで「ファームウェアのアップデートで事故防止が可能」とされてきましたが、今回新たに当該バッテリーをすべて回収・交換するとのことです。消費者庁経産省のサイトにリコール情報が掲載されていますが、それによると対象は2015年12月~2016年10月までに販売されたUPQ Phone A01X 6,059台で、バッテリーパックの型番はUPQ-BPA01です。消費者庁の資料には重大事故が2件、重大ではない事故が4件発生したとの記載があり、事故原因のうちの1つは「バッテリーセル内部の内部短絡によるものと推定される」としています。今後調査・分析の結果その他の事故の原因がわかれば逐次公表されるとのことです。

 またUPQのサイトにはリコールに関する内容が掲載されています。

upq.me

 当初ファームウェアのアップデートで対応と聞いて、「本当に大丈夫なの?」と思っていましたが、UPQの5月25日の発表をよく読むと今回の全回収・交換が当初から予定されていたものとわかりました。

 バッテリーに限らず、製品の安全性というものは100%・絶対に安全というものはありえませんが、1000分の1の事故発生確率というのはちょっと高い気もします。製品そのもののの品質・安全性を高める努力とともに、事故発生後の迅速誠実な対応も重要だということですね。

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